今回は、18歳の女性の方から、
食事の際のあがり症の症状についてご相談をいただいたので、
お答えしたいと思います。


【質問】

私は、小さい頃から、非常に恥ずかしがりやであがり症です。

以前、食事のマナー講座に参加したとき、今まで行ったこともないような高級レストランで、数名でテーブルを囲んで食事をしたことがあったんです。
そのとき、みんなに見られていると思うと、緊張して、手が震えてしまって、意識すればするほど、震えが止まらなくなり、食事どころではありませんでした。
周りの人からは、「美味しいのに、食べないの?」と心配されてしまい、それで余計にあがってしまって、「少食なの」と嘘をついてごまかしました。

こんな状態がこの先も続くと思うと、憂鬱です。
もし、彼氏ができても、こんなふうじゃ、二人で食事にも行けないし、就職してから、上司や得意先などと食事をすることになっても、苦痛で仕方ないんじゃないかと、心配でたまりません。

人と食事に行っても、あがらずにすむ方法があれば教えてください。

お願いいたします。


レストランで食事

【回答】

あがり症の人の中には、この相談者の方のように、
誰かと一緒に食事をする際に、緊張して、
手が震えたり、
食べ物がのどを通らなくなったり、
ひどいときには、吐き気がして気分が悪くなったり、
といった症状が出る人がいます。

また、人によっては、誰かと一緒じゃなく、
独りでレストランやファミレスなどで食事する際にも、
他人から見られているような気がして、緊張のあまり、
同様の症状が出る人もいますね。


こうした食事の際に、緊張してあがるのは、
自分の一挙手一投足を他人に見られている
という意識が過剰に働くから
なんです。

つまり、常に自分に意識が向いていることに
起因しているんですね。


なので、食事中、自分にではなく、
他に意識を向けるようにすることがとても大切
です。

例えば、誰かと一緒に食事をしているときには、
相手に意識を向け、
相手がどんな風に食べているかを観察したり、
好きなものはなんだろうとか、嫌いなものはなんだろうとか、
想像したり、ときには、相手に質問をしてもいいかもしれません。

または、相手に意識を向ける代わりに、
食事そのものに意識を向けるようにしてもいいでしょう。
例えば、この料理は何と何を使っているんだろうとか、
この食材は、どの国から来ているんだろうとか、
この味付けはどうやって出すんだろうとか、
食事に意識を向けることによって、
自分が人からどう見られていると言うことを意識しなくなります。




また、独りで食事をしているときには、
例えば、自分がレポーターになったつもりで、
今食べている食事を食レポしなければならないとしたら、
どんな風に感想をいうだろうかとか、心の中で思いながら、
食事をするようにしてもよいでしょう。

このように、自分が、今はレポーターの役を演じているんだと思うと、
例え、他の人から見られても、
見られているのは、本当の自分ではなく、
あくまで、自分が演じているレポーターなんだと思えるので、
自分を第三者的に見ることができ、
本当の自分に意識が向きにくくなります。


以上のように、食事の際に、
人から見られているという、
自分に意識が向くのを抑える工夫をすれば、
食事の際の緊張を抑えることができ、
あがりをコントロールできるようになります。